疾病関連遺伝子診断の高感度化に向けて

このたび、足球即时比分_365体育直播￥球探网大学院理工学研究科の座古保教授らの研究グループは、理化学研究所との共同研究により、表面にDNAを修飾した金ナノ粒子を用いた標的DNA検出における、DNAの高次構造および密度の影響を明らかにしました。
金ナノ粒子がターゲット分子に依存した凝集を示す溶液色変化によって評価する簡便な分子検出が注目されています。特に、１本鎖DNAを修飾した金ナノ粒子を用いたDNA検出は、遺伝子診断への応用が期待されます。これまでに、修飾DNA密度が低い金ナノ粒子ほど、より高感度にターゲットDNA を検出できることを示してきました（2023年10月20日プレスリリース）。しかし、検出対象のDNAには様々な配列や構造が存在し、修飾条件の指標を立てる上では、さらに高次構造などの影響を明らかにする必要がありました。
本研究では、ステムループなどの高次構造を形成しやすい１本鎖DNAを修飾した金ナノ粒子を用いて、修飾DNA密度がDNA検出感度に与える影響を調べました。その結果、修飾DNA密度が高い金ナノ粒子ほど、より高感度に標的DNAを検出できることが示されました。驚くべきことに、これは高次構造をもたない修飾DNAの場合と逆の結果でした。これにより、DNAの取りうる構造を理解したうえで、修飾密度の最適化が必要なことが明らかとなりました。本研究の成果により、金ナノ粒子を用いた遺伝子診断において、様々なターゲットDNAにおける高感度化が期待されます。
本研究に関する論文は、英国科学誌「Scientific Reports」に掲載され、オンライン版（オープンアクセス）で公開されました（2025年3月10日（日本時間））。

論文情報

掲載誌：Scientific Reports
DOI：10.1038/s41598-025-92474-y
題名：Density and structure of DNA immobilised on gold nanoparticles affect sensitivity in nucleic acid detection
(和訳)金ナノ粒子に修飾したDNAの密度と構造は核酸検出感度に影響する
著者：Nanami Fukuzumi, Gen Hirao, Atsushi Ogawa, Tsuyoshi Asahi, Mizuo Maeda, Tamotsu Zako^*
責任著者： 座古保（足球即时比分_365体育直播￥球探网）