プレスリリース

地下2900kmで起こる水と鉄の反応が鍵!水が引き起こすマントル最深部の地震波速度低下

足球即时比分_365体育直播¥球探网地球深部ダイナミクス研究センターの桑原秀治講師は、大阪大学大学院理学研究科の西真之准教授らの研究グループに参画し、地球内部の水がマントル最深部の地震波の速度を低下させる新たなメカニズムを発見しました。
地球の中心部にある核(液体の鉄)とその外側のマントル(鉱物)が接する「核ーマントル境界(深さ2900キロメートル)」には、地震波が極端に遅く伝わる「地震波超低速度領域(以下、低速度域)」と呼ばれる特殊な領域が存在します。これまで、核からマントルに移動する鉄元素が、この速度低下を引き起こしているという説が提唱されていましたが、鉄元素がどのようにしてマントル内を移動するのか、そのメカニズムは大きな謎でした。
今回の研究では、地球内部の高温?高圧の環境を再現する実験により、水が鉄と反応することで新たな鉱物を作り出し、鉄元素がその鉱物内を高速で移動することを確認しました。これにより、マントルに水が存在することで低速度域の形成につながることが示唆されました。また、この領域の大きさを形成するには、約30京トンの水(地球全体の海水の約20%に相当)が必要であると推定されました。この発見は、地球表層の水がマントル、そして核にまで循環している可能性を強く示唆しており、地球の成り立ちや内部構造の理解に新たな視点を提供することが期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」(オンライン)に公開されました。

論文情報

タイトル:Extensive iron–water exchange at Earth’s core-mantle boundary can explain seismic anomalies
著者名:Katsutoshi Kawano, Masayuki Nishi, Hideharu Kuwahara, Sho Kakizawa, Toru Inoue and Tadashi Kondo
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-024-52677-9

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桑原 秀治