愛媛県は心疾患の死亡率が全国第2位と非常に多い県です。
心疾患死の原因は、心不全や急性心筋梗塞によるところが大きいですが、当県では心不全による心疾患死が多いのではないかと推測されます。一方、心不全のリスク因子である高血圧と診断される割合も全国上位に位置するにも関わらず、高血圧に対する通院率は全国平均並みであることから、降圧管理が不良もしくは十分でないケースが多いため心不全数が増加しているのではないかと考えられます。しかし、その実態については不明でありました。
今回、心不全の一因となる高血圧性心肥大の存在を健診データの心電図から類推し、県内地区別における降圧管理と高血圧性心肥大の関連性について検証し、「上島町」、「八幡浜市」、「西予市」、「松野町」と「愛南町」の5市町では高血圧に対する管理不足のため心肥大所見が多く認められていることを明らかとしました。この5市町に対しては、高血圧に対する生活指導等の徹底した介入を行うことが高血圧性心肥大の発生を抑制、ひいては将来の心不全発症を抑制するうえで重要であると考えます。
※心不全パンデミックとは???高齢者の増加に伴い、高齢者心不全が大幅に増加すること