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GRCの川村英彰さん(理工学研究科修士課程1年)が日本鉱物科学会の研究発表優秀賞を受賞しました【9月19日(水)~21日(金)】

 地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)で研究を進めている理工学研究科修士課程1年の川村英彰さん(修士課程1年)が、2018年9月19日~21日に山形大学で開催された日本鉱物科学会2018年度年会において研究発表優秀賞を受賞し、同年会の最終日に行われたクロージングセレモニーにおいて、榎並正樹同学会長より賞状が授与されました。
 日本鉱物科学会は、ともに長い歴史を持つ日本鉱物学会(1955年設立)と日本岩石鉱物鉱床学会(1928年設立)が統合され、2007年に設立されました。2016年からは一般社団法人化され、会員約1000名が野外調査、実験、分析、数値計算など様々な手法を用いて、地球や惑星を構成する鉱物や岩石の構造?特性や成因などの解明を目指しています。
 研究発表優秀賞は、年会において口頭発表?ポスター発表を行った学生のうち特に優れた発表を行った者に贈られる賞で、受賞者には副賞として海外学会等で成果発表をするための渡航旅費が支援されます。今回の年会では川村さんを含む4名が研究発表優秀賞に選出されました。川村さんの講演題目は「上部マントル条件、C-H-O流体共存下におけるマグネサイトの分解」で、GRCの大藤教授の指導のもと進めている研究成果を発表したものです。マグネサイト(MgCO3)は沈み込む海洋プレートと共に地球の深部へ運ばれると考えられる代表的な炭酸塩鉱物で、従来の研究では、流体を含まない系(ドライ条件)ではマントルの最下部の高温高圧条件まで安定であるとされてきました。しかし、川村さんらの高圧実験に基づく検討の結果、同じくプレートと共に深部へ供給されると考えられるメタンや水に富んだ還元的な流体(C-H-O流体)が共存する場合、マグネサイトの安定性が大きく変化し、ダイヤモンドとペリクレース(MgO)に分解することが明らかとなりました。この事実は、近年注目されている炭素の地球深部循環(Deep Carbon Cycle)のメカニズムを理解する上でも重要な成果です。

川村さん(左)、日本鉱物科学会榎並会長(右)

 

関連HP

日本鉱物科学会

地球ダイナミクス研究センター

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