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谷口義明宇宙進化研究センター長が、日本天文学会で研究成果を発表

 平成20年3月24日(月)から27日(木)、東京オリンピック記念青少年総合センターにおいて、社団法人日本天文学会の春季年会が開催され、本学宇宙進化研究センターの谷口義明教授が26日(水)に研究成果を発表しました。

 宇宙進化研究センターは、平成19年11月に設置した新しいセンターです。
 今回、谷口教授が発表した講演題目は、「COSMOSプロジェクト: HST/ACS による赤方偏移5.7のLyα輝線天体の形態」で、ハッブル宇宙望遠鏡の最大のプログラム「宇宙進化サーベイ(通称COSMOS)」プロジェクトによる研究成果です。
 なお、学会での発表に先立ち、平成20年3月19日(水)に松山の「番町記者クラブ」で、3月23日(日)に東京の学術総合センターで記者会見を行いました。

 足球即时比分_365体育直播¥球探网、東北大学、カリフォルニア工科大学などからなる研究チームは、すばる望遠鏡(注1)とハッブル望遠鏡(注2)を駆使して研究を行いました。すばる望遠鏡は、口径が大きいので暗いところにある銀河を見つけることができる利点があり、一方、ハッブル望遠鏡は、上空にあるため大気の揺らぎを受けず、写真撮影に向いています。従って、「すばるで見つけ、ハッブルで極める」が今回のキャッチコピーです。
 今回は、すばる望遠鏡で発見した125億光年彼方にある80個の銀河をハッブル望遠鏡の高性能サーベイカメラで撮影しました。ハッブル望遠鏡のカメラで撮影したのは、生まれたての銀河で星形成がさかんに行われている領域の姿です。80個中、確実に検出できたのは17個でしたが、その17個の銀河は、全て直径4,000光年程度であり、現在の銀河に比べて数十分の一の大きさしかないことを明らかにしました。
 今回観測された生まれたての銀河は、今後、100億年以上の時間を経て合体を繰り返し、現在観測されるような大きな銀河に成長していくことを意味しており、まさに理論的な研究で予想されている銀河形成の現場を捉えたと考えられます。また、これだけ多数の生まれたての銀河の詳細な形態をハッブル望遠鏡で系統的に調べたのは世界で初めてです。

 すばる望遠鏡???ハワイ島のマウナ?ケア山山頂(標高4,205m)にある日本の国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡
 ハッブル望遠鏡???地上約600km上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡。地上からでは困難な高い精度での天体観測が可能。

広報室