平成21年7月2日(木)、共通教育講義棟2Fの21番講義室において、安全衛生セミナーを開催しました。
7月1日?7日は全国安全週間ですが、今回のセミナーはこの期間に合わせた全学的な取り組みとして、大阪大学安全管理部の山本 仁副部長を講師としてお迎えし、「事故事例から考える大学の安全衛生管理」と題した講演を行って頂きました。
これまで開催した安全衛生セミナーは、主に教職員を対象としたものでしたが、今年度からは学生にも呼びかけて開催することとなりました。教職員と学生の両方を対象とした全学的な同セミナーは今回が初めてとなります。
? 初めに、曲田 清維 副学長(労務?環境担当)からの挨拶と、山本先生の紹介がありました。
講演では、独立行政法人化後の大学が一般の企業と同様、労働安全衛生法の下に置かれたものの、一般企業とは異なり、研究室の数だけ研究分野があるという特殊環境であることに触れ、組織としての安全を守るためには、研究室の自己管理がとても重要であるということが強調されました。
また、実際に大阪大学で行われている巡視システムや体制、一般に薦められているヒヤリハット報告やKY(危険予知)活動、指さし呼称の有用性などが紹介されました。さらに、これまでに大阪大学で起きた実験中の事故を分析した結果、化学系の研究室で化学薬品を研究対象として用いる場合と、非化学系の研究室で、研究のための道具として、化学薬品を用いる場合とでは、非化学系で事故を起こすケースがとても多いとのお話がありました。
エタノールが燃えると、どの程度の火が出るのか、引火の早さはどの程度か、講演中に実験も行い、空気中の酸素と混じり合ったエタノールが大きな音とともに爆発する様子や、ジエチルエーテルに引火した火が教壇の上を走る様子を目の当たりにする等、見て、聞いて、体感することができる、楽しい講演となりました。
最後に、山本先生から、「安全は大学から与えられるものではなく、最終的には現場で作業している作業者自身の意識にかかっているため、どうすれば安全に研究できるかをじっくり考え、実験や研究を楽しんで欲しい」とのメッセージがありました。
今後も、本学における教職員及び学生の安全で快適な環境を守るために、ご協力をよろしくお願いします。