平成23年9月17日(土)?19日(月)、足球即时比分_365体育直播¥球探网未来の科学者養成講座「ライフサイエンスキャンプ」を実施しました。
独立行政法人科学技術振興機構の協定事業「未来の科学者養成講座」は、文部科学省の理数教育強化施策の一環として、大学等が理科や算数?数学の分野で高い意欲や能力のある児童?生徒に対して、高度で発展的な学習環境を継続的に提供する取組であり、現在15大学において本事業による講座が実施されています。本学の講座「生命科学を機軸とした発展型科学者養成プログラム」は、愛媛県と近県の中学3年生及び高校1年生が、約1年半継続して生命科学および関連する物理、化学、医療、環境、食品など分野の学習と研究を進めます。今年は3年目の実施となり、3期生が本年6月から受講を開始しています。
「ライフサイエンスキャンプ」は、講座における2番目の学習プログラムであり、2泊3日の合宿研修にを行い、DNAやタンパク質の働きを実験実習を体感するとともに、受講生相互の親睦を図ることが目的です。当初19人の受講生が参加する予定でしたが、台風の接近による豪雨のため5人が参加できませんでした。しかし、参加者全員が体調を崩すこともなく、3日間の学習と親睦を進めることができました。
初日、午後の開校式において、佐藤成一理工学研究科長から講座の趣旨説明と激励の言葉を受けた後、愛大ミューズ実験室において実習を開始しました。林秀則理工学研究科教授およびティーチングアシスタントの指導のもと、DNAからRNAへの転写反応、無細胞タンパク質の合成実験及び遺伝子導入の実験に取り組みました。テーマとして取り上げた試料が、ノーベル化学賞によって一般的にも知られるようになったクラゲの緑色蛍光タンパク質であったため、テレビや新聞で紹介されたのと同じように緑に輝くタンパク質溶液に受講生は興味津々でした。夕食後は宿舎の会議室に集合し、3日間を通して受講生の指導をお手伝いしてくださった高校の先生を交え、自己紹介をし、各自が提出した家庭での実験レポートを相互に見せあいながら、親睦を深めました。
2日目は、早朝から緑に光る大腸菌を観察した後、プラスミドDNAの抽出、PCRによるDNAの分析、さらに電気泳動や質量分析によるタンパク質の分析を体験し、高井和幸理工学研究科教授による「遺伝暗号解読の仕組み」、真鍋敬名誉教授による「タンパク質の機能解析」に関する講義を受けました。また、ベンチャービジネスラボラトリーにおいて、生命科学の研究に使われる最先端機器の見学も行いました。夕食後は各グループに分かれ、理学部の学生の指導を受けながら、実験結果を整理したり、パソコンを使ってスライドを作成したりして、3日日のプレゼンテーションに向けての準備をしました。
最終日には、小野昇名誉教授による「生命と有機化学」に関する講義および遠藤弥重太無細胞生命科学工学研究センター長による総括的な講義「生命って?私って?」を受けました。午後は3つのグループに分かれて、それぞれ与えられたテーマに関して実験結果の解析と考察について、質疑応答も含め約30分にも及ぶ発表を行いました。最後に、古賀理和共通教育センター講師による「生体分子」に関する講義と、今後のe-ラーニングによる学習に必要となる大学のムードルの利用法や分子模型の使い方に関する説明を受けました。
最初はぎこちない会話をかわしていた受講生達でしたが、3日間の充実した講義や実験等の共同生活を経て連帯感も生まれ、お互いに知識を持ち寄り、最終日の班別プレゼンテーションでは助け合いながら発表することができました。大学において高度な実験や先端機器に触れたことのみならず、日頃話すことのない他校の生徒と親密になれたことに感激した受講生も多かったようです。受講生はこのあと約1年間、e-ラーニングによる学習や研究センターの教員などによる先端科学に関する講義を受け、科学への興味と関心を一層深め、さらに学部や研究センターにおいて課題研究に取り組むことによって、科学者としての一歩を踏み出してくれると期待しています。
<理学部>