平成23年9月14日(水)から16日(金)に鹿児島大学で開催された第55回粘土科学討論会において、連合農学研究科(社会人)を平成23年3月に修了した山川洋亮博士(木村化工機株式会社)が日本粘土学会論文賞を受賞しました。
山川氏の論文題目は「亜臨界水処理による石炭灰由来Na-P1型ゼオライトの転換及び表面改質」で、同氏の学位論文の一部を成すもので、連合農学研究科在学時の指導教員であった農学部の逸見彰男教授、松枝直人准教授、ザエナル?アビディン助教、及び中国電力(株)との共著論文です。これは、石炭火力発電所で発生する副産物で、利用価値の少ないとされている石炭灰から合成したNa-P1型ゼオライトについて、この発電所に豊富に存在する亜臨界水を利用して、吸着作用などの有用機能を持つ新規な素材に転換する化学的方法を明らかにし、活用が期待できることを示したもので、基礎学術的に優れていることに加え、応用技術的な価値も高いことが評価され、受賞の運びとなりました。
なお、Na-P1型ゼオライトはセシウムイオンの吸着選択性が非常に高いため、放射性セシウムの吸着材としても利用されています。