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沿岸環境科学研究センター 濱村奈津子准教授が最先端?次世代研究開発支援プログラムへ採択

沿岸環境科学研究センター 濱村奈津子准教授の研究課題「複合汚染に対する微生物遺伝子応答の網羅解析による新規毒性影響評価技術の開発」が、平成23年2月10日最先端?次世代研究開発支援プログラムに採択されました。

 本課題では、汚染による生態毒性の全体像を直接検出し、汚染現場の微生物資源を利用して長期的影響を予測する新規手法の開発を目指しています。
 「最先端?次世代研究開発支援プログラム」は、将来、世界の科学?技術をリードすることが期待される潜在的可能性を持った研究者への研究支援制度を創設し、新たな科学?技術を創造する基礎研究から出口を見据えた研究開発まで、「新成長戦略(基本方針)」(2009年12月30日閣議決定)において掲げられた、政策的?社会的意義が特に高い先端的研究開発を支援することにより、中長期的な我が国の科学?技術の発展を図るとともに、我が国の持続的な成長と政策的?社会的課題の解決に貢献することを目的とするものです。
 総合科学技術会議の運営のもと、日本学術振興会によって、公募?審査、研究開発の進捗管理が行われ、民間の有識者を含めた専門家による審査が行われました。

【今回採択された研究課題の概要】
「複合汚染に対する微生物遺伝子応答の網羅解析による新規毒性影響評価技術の開発」
(研究期間:平成26年3月末まで)
環境を汚染する化学物質は急速に複雑化?多様化しており、地球レベルでの汚染被害に対応していくには、複合汚染物質の人間や生態系へ及ぼす影響を、より総合的に検出し毒性影響予測を行う技術開発が必要になっています。そこで本研究では、今後特に汚染被害の深刻化が懸念されているアジア諸国に焦点をあてて、汚染による生態毒性の全体像を直接検出し、長期的影響を予測する新規手法を、現場の微生物資源を利用して開発することを目指します。
環境中の微生物は汚染物質に対して、無害化作用や防御機構を司る遺伝子を発現して耐性を示すことから、これら遺伝子群を汚染物質の検出や毒性のバイオマーカーとして用います。 本研究の手法は、汚染暴露に対するバイオマーカーの迅速な反応から長期的毒性影響を予測するために、遺伝子の応答と遺伝子損傷の解析を組み合わせた網羅的遺伝毒性検出手法として世界初の試みです。 本研究の成果により、環境汚染の長期的リスク予測が可能となり、より総合的な環境施策への基礎情報を提供するとともに、アジア諸国との共同研究を通して国際連携による環境対策ネットワークを強化し、生態系?生物多様性の保全につながることが期待できます。
 なお、採択額は4年間で1億3千万円です