大学院理工学研究科 山田幾也助教の研究課題「新規異常高原子価物質における革新的機能の開発」が、科学技術振興機構(JST)の実施する戦略的創造研究推進事業「さきがけ」に採択されました。
本課題では、超高圧という極端条件を利用し、新しい超伝導物質などの開発を目指しています。
戦略的創造研究推進事業とは、社会?経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、戦略的重点化した分野における課題解決型基礎研究を推進し、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術の創出を目指すものです。国(文部科学省)が戦略目標を設定し、そのもとにJSTが推進すべき研究領域と、研究領域の責任者(研究総括)を定めます。研究提案(研究課題)は研究領域ごとに募集し、研究総括が領域アドバイザーらの協力を得ながら選考します。
「さきがけ」は、若手?女性研究者の登竜門として位置づけられており、非常に応募数が多く、競争が厳しいことで知られています(平成22年度研究提案募集(第2期)の同領域(新物質科学と元素戦略 3年型)への応募は187件、採択件数は13件)。また、山田助教は、平成20年度にも同事業のプログラム「新規材料による高温超伝導基盤技術(TRiP)」に採択されており、30代前半の研究者の資金獲得実績としては異例であると同時に、本学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)と共同で進めている物質材料研究に対する期待が非常に大きいことを示しています。
【今回採択された研究課題の概要】
「新規異常高原子価物質における革新的機能の開発」(研究期間:3年間)
本研究では、10万気圧?1000℃以上という超高圧高温条件を用いて、ユビキタス元素からなる新規物質を探索し、各元素が持つ潜在可能性を引き出すことを狙います。特に、異常高原子価イオンが秩序配列した結晶構造をターゲットとして、これまでに知られていない革新的機能の発現を目指し、機能材料開発における潜在可能性を広げることを目標とします。