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理学部長岡伸一教授、向井和男研究員、大内綾研究員とカゴメ株式会社が、「フード?アクション?ニッポンアワード2012」の研究開発?新技術部門で最優秀賞を共同受賞しました【11月2日(金)】

平成24年11月2日(金)、「フード?アクション?ニッポンアワード2012」の研究開発?新技術部門で、本学理学部(大学院理工学研究科長岡伸一教授、理学部向井和男研究員及び大内綾研究員)とカゴメ株式会社が最優秀賞を共同受賞しました。

 「フード?アクション?ニッポンアワード2012」(主催:フード?アクション?ニッポンアワード2012実行委員会、共催:農林水産省)は、食料自給率向上に寄与する事業者?団体等の取組みを一般から広く募集し、優れた取組みを表彰するもので、4部門ごとに最優秀賞1件及び優秀賞(10件以内)を選定しています。

 今回受賞したプロジェクトは、「農産物?食品の抗酸化活性測定法『SOAC法』の開発」です。野菜などの農産物は、生活習慣病の原因とされる活性酸素を消去してくれる「抗酸化物質」を多く含むことが知られています。これらの食品を効果的にとることは、生活習慣病予防や、老化を遅延する”アンチエイジング”に役立つことが判ってきており、抗酸化活性の高い食品が注目されています。活性酸素は呼吸などによって発生する「ラジカル」と、紫外線などによって発生する「一重項酸素」とに大別されます。これまでは、「ラジカル」を消去する力(ポリフェノール等が強い)を測定する簡易な手法しかなく、「一重項酸素」を測定する手法がありませんでした。そのため、「一重項酸素」を消去するカロテノイドを豊富に含むトマトやニンジンなどの抗酸化活性は正確に測定できていませんでした。

 そこで、本学理学部とカゴメ株式会社は共同で、カロテノイドの抗酸化活性を測定できる「SOAC法」を開発しました。この方法は、農産物や食品の抽出液の中に、「一重項酸素発生剤」と「一重項酸素によって分解する指示薬」を加えて、指示薬の量を経時的に測定する簡易的な方法です。指示薬の残量が多いほど、農産物や食品の抗酸化活性が強いということになります。この測定法の確立により、農産物の抗酸化活性を産地別?品種別に比較し、より抗酸化活性が強いものを見つけられるようになりました。将来的には、高抗酸化活性という付加価値を持った農産物の開発やブランド化の促進、さらには農林水産業の活性化を通じて我が国の食糧自給率向上に貢献できます。

 なお、この「SOAC法」は、100 社を超える協賛企業や、国立研究所、大学などによって設立された食品の抗酸化に関する研究会「アンチオキシダントユニット(AOU)研究会」において、食品の抗酸化活性測定法のひとつとして採用されています。同研究会では、食品への抗酸化活性の表示に向けた取組みを進めており、「SOAC法」はその評価法として今後広く普及することが期待されます。

「フード?アクション?ニッポンアワード2012」

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