平成28年12月8日(木)~9日(金)につくば市で開催された環境ホルモン学会第19回研究発表会で、沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染?毒性解析部門の田村沙弥さん(大学院理工学研究科博士前期課程2年生)のポスター発表が、学生部門で優秀ポスター賞に選ばれました。田村さんの発表演題は、「PCBsのin vivo曝露によるビーグル犬の肝トランスクリプトームとメタボロームへの影響」で、同センターの岩田久人教授の研究室で取り組んだ研究成果の発表でした。
イヌに代表される伴侶動物は、ヒトと生活環境を共有していることから、ヒト生活環境周辺に遍在する化学物質に曝露されやすいと予想されます。しかしながら、PCBs曝露によるイヌへの影響を包括的に調査した報告は少ないのが現状です。そこで田村さんの研究では、PCBsを投与したイヌの肝臓のトランスクリプトーム(転写産物mRNAの総体)とメタボローム(代謝産物の総体)を解析し、PCBs曝露による影響と作用機序を明らかにすることを試みました。今回の受賞では、PCBs曝露により酸化ストレスが誘導され、脂肪酸代謝とコレステロール生成が亢進することを明らかにした点が高く評価されました。
<沿岸環境科学研究センター(CMES)>