平成24年12月25日(火)?28日(金)、無細胞生命科学工学研究センターで,「ウィンターサイエンスキャンプDX」を実施しました。
サイエンスキャンプとは、高校生を対象に、独立行政法人科学技術振興機構が主催する実験?実習を主体とした科学技術体験合宿プログラムです。参加者は、先進的な研究テーマに取り組んでいる大学、公的研究機関、民間企業の研究所などを会場として、なかなか出会うことのない第一線の研究開発現場で活躍する研究者や技術者から直接指導を受けます。
今年度も、12月下旬から1月初旬の冬休み期間に「ウィンターサイエンスキャンプ’12-’13」として、ライフサイエンス、環境、エネルギー、ナノテクノロジー、材料、(宇宙等の)フロンティア、機械工学、地球科学等の分野で、先進的な研究テーマに取り組んでいる大学、公的研究機関の全国11会場において、実施されました。
そのうち、本学を含む2会場では、開催期間、人数、実習内容などをさらに充実させたサイエンスキャンプDX(ディー?エックスDeepen & Extendの意味)として実施されることになり、無細胞生命科学工学研究センターで、より高度な内容を盛り込んだプログラム「試験管の中で生命をつくる?遺伝情報とタンパク質?」が、3泊4日で実施されました。
全国から応募した110人から選ばれた、遠くは岩手県や沖縄県などから集った参加者24人は、まず本学チアリーディング部の演技による歓迎の後、柳澤康信学長から「本学の生命科学研究における特徴や理科教育に対する取組みを十分に体感し、さらにキャンプで出逢った仲間とサイエンスを語ってください」との激励を受けました。
続いて、無細胞生命科学工学研究センターの林秀則教授から、遺伝子とタンパク質に関する講義を受けた後、ティーチングアシスタントを務める理学部の学生などから指導を受けながら、遺伝子組換の実験に取り組みました。
そして、12月25日(火)?27日(木)の3日間にわたり、参加者は「組み換えDNAの作製」、「大腸菌への遺伝子導入」、「コムギ胚芽の抽出液を利用した試験管内での転写と翻訳の再現」、「PCRによる遺伝子の分析」、「DNAの塩基配列の解析」、「電気泳動および質量分析によるタンパク質の分析」といった、高校の授業では体験することのできない大学レベルの実験も体験しました。
特に「コムギ胚芽の抽出液を利用した試験管内での転写と翻訳の再現」実験は、平成25年度に初めて高校の教科書に掲載される内容であり、それを全国の高校生に先駆けて体験できたことに加え、実際に合成された蛍光タンパク質が、ブラックライトによって鮮やかに輝くのを見て、感動した様子でした。
また、研究センターでは、タンパク質研究の応用についての説明や先端機器の紹介に対し、多くの質問をするなど、熱心に見学していました。
3日目のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)校の生徒との交流会では、訪問先の松山南高校の生徒から、SSH活動の概要、課題研究の成果報告、英語による中国研修の報告、さらには同校卒業生のiPS細胞を利用した再生医療の現状紹介などがありました。そして、参加者の代表3人が、これまでの自由研究や高校での研究活動を紹介し、双方の生徒にとって有益な情報交換ができました。その後、約30人の生徒と一緒に昼食をとりながら、相互に科学への関心や興味、将来の夢などを語りました。
最終日の12月28日(金)には、テレビ会議システムによって、米国サンタクルーズに滞在中の遠藤弥重太特別栄誉教授から講義を受け、生命の神秘に思いをはせました。
その後、4人1組の班で、それぞれ与えられたテーマについて、実験結果とその解析および考察をまとめた成果発表会を行いました。キャンプの初日には、ぎこちない会話を交わしていた参加者たちでしたが、4日間の充実した講義や実験等の共同生活を経て連帯感が生まれ、発表会の準備ために深夜までアドバイザー等の指導を受けながら、データの解析やスライドの作成に力を合わせて取り組みました。最終日には、お互いに助け合いながら、その成果を発表しました。
最後に、坪井敬文センター長から参加者に修了証書が手渡され、4日間の合宿は締めくくられました。
足球即时比分_365体育直播¥球探网では、今後もこのような取組みを通じて、多くの若者に科学の魅力を伝え、未来の科学者が生まれることを期待しています。
<プロテオサイエンスセンター>