平成25年3月末退職の総合健康センター 佐伯 修一 教授から大学での思い出を寄せていただきました。
大学の思い出
私は松山育ちで、足球即时比分_365体育直播¥球探网は常に近い存在でした。学童期の隣家は、山羊屋さん(山羊のミルクを町内に配達)兼炭屋さん、バイトの愛大生が暗い倉庫の片隅で真っ黒になって炭の原木を金ノコで挽き、火鉢の炭を作っていました。街はこども達の遊び場、人びとや動物たちの仕事が、手に取るように垣間見えた時代です。鉄条網で囲まれ草の生い茂る城北キャンパスは、昆虫採集や草野球の場でした。
大学入学時からの大学紛争も終盤になり、大阪大学医学部を卒業し、生化学研究をしていた頃の昭和55年に足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部生化学教室へ誘われ、二つ返事で赴任しました。その後、スタンフォード大学薬理学研究室に2年、帰国後は臨床検査医学?検査部へ、平成10年に城北キャンパスの総合健康センター(保健管理センター)へ転任しました。それぞれの職場で、お陰様で仕事も生活も楽しんで来ました。
一番長かったのは総合健康センターの15年で、そこでの業務も一言で『楽しかった』と言えます。スタッフにも恵まれましたが、業務を通じて様々な分野の学生や教職員と関わり、多くの知人ができ、さらに、研究集会などを通じて、全国他大学の保健管理施設の方々とも和気藹々の交流ができました。
心と身体の健康増進のためには様々な取組がありますが、趣味や興味を育てることも大切だと思います。学生のみならず教職員や学外者へも、真剣な“あそび”の案内を半ば個人的活動として行ってきました。学生団体“火曜ナイトサロン”との共催で、講演会やコンサートを一緒に開いたり、年1回1泊の林間交流合宿の主催や遍路歩き実習、農学部演習林実習に協力したりと、楽しい日々でした。大学生の頃、独りで毎月毎週のように下宿の裏山(表六甲)を歩いたり走ったりしていましたが、この様な自然との付き合い体験が教育に活かせるとは思いもしませんでした。
中でも愛大山岳会の方々と知り合えたのは幸運でした。約半世紀前に愛大山岳部が愛媛県下に建設した五つの避難小屋は老朽化激しく、その内の三つの再建に取り組みました。以来、作業を通じて山岳関係者や一般の山岳愛好家の方々との人脈が一気に拡がると共に、引き続き保全作業を楽しんでいます。この様な活動が、職域にとらわれない地域貢献に繋がったことは、退職後の私の在り方にも深く関わりそうです。一緒に参加した学生(留学生も)にとっては一生の思い出に、中高年諸氏にとっても有意義な異世代間交流になったことでしょう。自然環境はかけがえのない社会資本ですが、近年、若者の山離れが全国的な問題となっています。若者達から様々な余裕が無くなっているのが、最大の要因だと思います。大学を離れても、望まれれば学外からのささやかな支援が続けられるよう、常に受け皿を用意しておきたいと思います。