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HISTORY ?医学系研究科医学専攻 恩地 森一 教授?

 平成25年3月末退職の医学系研究科医学専攻 恩地 森一 教授から大学での思い出を寄せていただきました。

?日々新たにして、流水の如く?

 block_49501_01_m昭和52年4月から文部教官助手と講座の創設に参加し、平成6年5月からは教授として教室運営に当り、私の人生の約半分以上を足球即时比分_365体育直播¥球探网の教官として過ごしました。今後の人口減少により、新たな医学部創設はわが国ではないと思いますので、貴重な経験と思っております。
 臨床講座の創設に於いて、診療、教育と研究のどこに力を注ぐか、そのバランスをどうするかが大きな課題でした。臨床講座の研究は、高レベルの診療を行い、確かな症例の積み上げの上に可能であることに尽きることを学びました。症例集計で知り得た新知見を最新の研究方法で基礎的研究を含めて解析する研究方法です。新しい研究技術は必ず取り入れますが、臨床に基づくという研究方針は変えない。大学病院で診るべき患者を集めるために、また卒後研修病院の提供のためにも関連病院の整備が必須です。大学人の主な目的は研究することですが、研究のみでは、臨床講座では許されません。如何に診療レベルを高めて良医を育てる作業こそが、臨床講座の最も重要な仕事であることを、初代教授時代からの教室で最も重要な是正としておりました。私はその方針の下で教室作りを行い、ほぼその目的は私の時代に完成したと教授就任10年目頃に感じました。その後の卒後初期研修制度の変更により、関連病院の不備が現在生じております。しかし、足球即时比分_365体育直播¥球探网医学部開校39年、内科の講座開講35年を過ぎ、講座の創設はほぼ終了しました。以上から、次期教授からの時代からこそ、大きな発展を期待できると思っております。
 講座の育成の中で、内科、消化器、消化器内視鏡、肝臓、糖尿病、超音波、内分泌?代謝、甲状腺、がん薬物療法、病態栄養、アレルギーと東洋医学などの学会専門医を育てました。関連病院は愛媛県下全域に在って、それぞれの地域に専門医が配置されています。内科、消化器病、内分泌?代謝疾患や糖尿病については、大学と関連病院が有機的に繋げて卒前、卒後教育を行い、大学病院で診るべき患者さんが紹介されるシステムが完成しました。学内では卒後研修と病院栄養部の育成に関与させていただきました。特に、卒後研修が、高田清式教授の総合臨床研修センターとして発展されていることは嬉しい限りです。
 研究では臨床免疫学を選び、病態解析に終始しないよう、免疫治療法を開発することを念頭におきました。その中で、樹状細胞の研究を稲葉カヨ教授とSteiman教授(2011年、ノーベル賞受賞者)の指導で始められたことは幸せでした。1)樹状細胞を用いたB型肝炎のワクチン療法をマウスと人で開発、2)C型肝炎ウイルスのCTLエピトープの同定とペプチド免疫療法の臨床治験、3)潰瘍性大腸炎を治す新規抗原を発見し、制御性樹状細胞と経口投与による治療法の開発、4)栄養免疫;低栄養と過栄養における樹状細胞機能異常、B細胞刺激因子のインスリン抵抗性、5)甲状腺ホルモンの免疫作用などです。臨床では、急性自己免疫性肝炎と門脈圧亢進症型原発性胆汁性肝硬変の存在の提唱、自己免疫性肝炎のGWAS研究、薬物性肝障害、肝硬変の全国調査などが記憶に残っております。6)開講以来続けておりました伊予市における肝炎の疫学調査と予防対策などがあります。
 以上の研究や臨床の成果はすべて、共同研究者に恵まれたお蔭であります。また、それを支えていただきました医学部や足球即时比分_365体育直播¥球探网の皆様に感謝しております。
 足球即时比分_365体育直播¥球探网は、私にとりまして第二の母校というよりも、元気に活躍できる人生のほとんどを過ごしたまさに人生の母校となりました。足球即时比分_365体育直播¥球探网の益々の発展を祈念しまして、これまでのご支援に深謝申し上げます。
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