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マラリア研究部門 福本隼平 特定研究員が第34回日本寄生虫学会奨励賞を受賞しました【3月18日(火)~3月19日(水)】

足球即时比分_365体育直播¥球探网7年3月18日(火)、19日(水)、大阪大学コンベンションセンターで行われた第94回寄生虫学会大会において、プロテオサイエンスセンター マラリア研究部門 福本隼平 特定研究員の研究実績「熱帯熱マラリア原虫リゾリン脂質アシル転移酵素の機能解析」が第34回寄生虫学会奨励賞を受賞しました。

本賞は、受賞までの3年間に寄生虫学に関する優れた研究を行った、若い研究者に対して贈られるものです。

マラリアは年間60万人以上が犠牲となる寄生虫症です。近年薬剤耐性マラリア原虫がアフリカにも出現しており、ワクチンや新規薬剤の開発が喫緊の課題となっています。

福本隼平博士は、熱帯熱マラリア原虫が赤血球の中で増殖するために必要な「脂質(リン脂質)」の合成に関わる酵素の機能を、世界に先駆けて解明しました。福本博士が注目したのは「PfLPLAT1」という酵素で、細胞の膜を作る材料であるリン脂質の合成に関わると考えられてきたものの、その機能はこれまで明らかになっていませんでした。本研究では、最新の遺伝子操作技術(DiCreシステム)を用いて、PfLPLAT1の働きを一時的に止めることで、マラリア原虫の増殖が中断されること、また細胞の“口”として働く「サイトストーム」という構造が異常に大きくなり、赤血球内の栄養(ヘモグロビン)をうまく取り込めなくなることが明らかになりました。さらに、顕微鏡観察やリピドミクス(脂質解析)、遺伝子発現解析を通じて、この酵素がリン脂質の合成に直接関わり、細胞周期やDNA合成にも影響を及ぼす重要な役割を持っていることが判明しました。この成果は今後の新しい抗マラリア薬の標的としても大きな可能性を持つものです。この研究業績が高く評価され、今回の受賞に至りました。

福本博士は「このような賞をいただき大変光栄です。今後も研究に邁進したいと思います。」と語っています。

受賞した福本隼平 特定研究員

<プロテオサイエンスセンター>