お知らせ

安全衛生講演会を開催しました【9月25日(水)】

 平成25年9月25日(水)、総合情報メディアセンターメディアホールで、安全衛生講演会を行いました。

 この講演会は、10月1日?7日の全国労働衛生週間に先立ち、学生及び教職員の安全衛生に対する意識向上を目的に、全学安全衛生委員会と工学部学生安全衛生委員会とで共同開催したものです。テレビ会議システムを利用して、メディアホールのある城北キャンパスから樽味キャンパスの農学部多目的ホールへ映像と音声を同時中継し、両会場合わせて学生教職員を含む92人が参加しました。
 はじめに、全学総括安全衛生管理者の曲田清維副学長が、JR北海道で相継いでいる列車事故の報道に触れ、「厳しい自然環境の中で、たくさんの要因が考えられるが、突然厳しい環境におかれた訳ではない。日常点検等の小さな事をやるという重要性にしっかり目を向け、実験実習等に取り組んで欲しい。」と開会の挨拶を行いました。

 続いて、愛媛労働局健康安全課の須賀哲二課長が、労働行政の立場から「これから技術者になる人のための労働安全衛生」と題して講演を行いました。まず、日本国憲法の中で労働者の労働条件は、法律で決めると謳われているという点に注意を向け、職業生活の中の労働安全衛生法の位置付けについて述べました。次に、愛媛県内の労働災害の発生状況に触れ、第12次労働災害防止計画から、「働くことで生命が脅かされたり、健康が損なわれるようなことは、本来あってはならない」というキャッチフレーズが紹介されました。この計画は、労働災害は労働者と使用者だけの問題ではなく、それを取りまく社会全体の問題という考え方で、平成29年度までに労働災害による死傷者数を15%以上減少(平成24年度比)を目指すものです。そして、リスクアセスメントの実施手順、リスク低減の措置等について説明がありました。最後に、ひとりの職業人、労働者として「安全衛生のABC(あたりまえのことを?ばかにせず?ちゃんとやる)ことが重要」というメッセージで締めくくられました。

 次に、コスモ松山石油株式会社の谷知常務取締役工場長が、企業現場の立場から「コスモ松山石油の安全管理の取組について」と題して講演を行いました。まず、コスモ松山石油株式会社の概要、組織体制、扱っている商品等の紹介がありました。安全管理については、高圧ガス製造事業所として、多くの法規制に係る中、安全管理の基本は法令遵守であるという考え方のもと、必要な保安検査や工事申請等の抜けがないよう法遵守点検票という一覧表を作り、毎月チェックを行っている等、具体的な取組について説明がありました。続いて、コスモ石油グループ企業行動指針で、安全で事故のない企業を目指すことを社会に対し約束しており、社長を委員長とするCSR(Corporate Social Responsibility企業の社会的責任)推進委員会に並び、社長直轄の製油所安全改革委員会を設置して取り組んでいるとの説明があり、コスモ松山石油もその活動と一体化した安全管理活動を展開しているということでした。また、過去に他の製油所で発生した水素製造装置の爆発、火災にも触れ、事故後の本質的な状況調査と原因分析、再発防止に向けた仕組みの見直し等の経過説明がありました。その他、日常的に現場作業の中で実施されているたくさんの安全衛生活動の紹介がありました。講演の最後は、「『製造現場の仕事は危険が普通で安全は特殊な状態である』という認識をもって業務にあたっている」と締めくくられました。

 最後に、影山信二安全環境課長から2人の講師に向けてお礼の挨拶があり、2つの会場から感謝の気持ちを込めて拍手を送りました。出席者からは「愛媛県の労働災害の現状を知ることができて参考になった。」、「社会や企業の安全対策の具体例を聞くことができてよかった。」、「事故は、自分自身だけでなく、周囲の人の命も巻き込むため、確実に対策をとることが重要だと感じました。」等の感想があり、貴重な機会となりました。

<施設基盤部>