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教育学研究科の大学院生が「おもしろ理科教室」で藍の抜き染め実践を行いました【11月9日(土)】

 平成25年11月9日(土), 愛大GP「伝統の継承プログラムを通したグローカルマインドの育成」事業として、教育学研究科2年の段王里菜さんが、松山市教育委員会?松山市中学校理科主任会おもしろ理科教室実行委員会が開催する「おもしろ理科教室」で、藍染めと抜き染めを使った伝統への興味?関心を高める実践を行いました。

 本事業は、本学が支援する教育改革促進事業(足球即时比分_365体育直播¥球探网GP)で、今年度採択されたものです。忘れられようとしている地域の伝統を復権する作業を通して、自らの来歴を知り、伝統に立脚した人格を育成して、世界に通じるグローカルマインドを持つ人材を育成することを目的としています。
 愛媛県の伝統の織物に「伊予絣」があります。伊予絣は、藍染めを用いた織物で、明治36年には絣の全国生産量1位になり、愛媛県は伊予絣を通じて全国に知られていました。しかし現在、愛媛県を含む四国で藍染めは衰退しており、藍染めを知らない子どもたちが増えています。
 そこで、本事業では、伝統の継承プログラムを通じて、地域の一員として自覚と誇りをもって行動し、目的達成のために多様な人と協働する、グローカルマインドをもった次世代を担うリーダーとなる人材を育成することを計画しました。

 当日の「おもしろ理科教室」には、松山市内の理科が好きな中学生32人が参加しました。まず最初に、段王さんが世界の藍染めの歴史と日本の藍染めについて、なぜ藍色に染まるのかという説明を行い、生徒たちは四国の伝統産業である「藍染め」と愛媛県の伝統産業である「伊予絣」について学びました。
 その後、木綿ハンカチを使った藍染めを行いました。生徒たちは、藍染めしたハンカチを乾かす間に、抜き染めの「型」となる切り絵作りをし、思い思いの切り絵を約1時間かけてカッターで切り取る作業に熱中していました。切り絵が終わった生徒は、乾かした木綿ハンカチの上に切り絵を載せて、台所用漂白剤を利用した抜き染め剤を使って抜き染めをしました。きれいに抜き染めできた生徒も、ちょっとだけにじんでしまった生徒もいましたが、その「にじみ」も風合いとして美しいものでした。
 3時間の実践時間をいっぱいに使って、生徒たちは抜き染めしたハンカチをつくり、お土産として持って帰りました。帰宅後、保護者の方と伝統について話し合ったことと思います。

 

 本事業の推進リーダーである段王さんが中心となって実施された本実践では、参加した中学校教員の方々からも「おもしろい!」という好評価をいただきました。学生は、このような実践を通じて、地域の一員として自覚と誇りを得、また目的達成のために中学校教員の先生方と協働し、グローバルな世界におけるローカリティについて思索を巡らせる機会を得ることができました。

 なお、本事業は、11月22日(金)にも、再び道後聖母幼稚園で、藍染めした布の「抜き染め」を行いました。

<教育学部>