医学部附属病院薬剤部の渡邉真一主任薬剤師が「平成28年度日本医療薬学会Postdoctoral Award」を受賞し、平成28年9月18日(日)、国立京都国際会館で授賞式が行われました。日本医療薬学会Postdoctoral Awardは、医療薬学に関連する優れた学業活動により学位(博士)を取得し、将来の活躍が期待される研究者に贈られる賞です。
今回の受賞は、がん化学療法や放射線療法によって引き起こされる口腔粘膜炎の評価系モデルを確立し、口腔粘膜炎治療薬の創出に向けて、研究を大きく発展させた点が高く評価されました。
日本医療薬学会の佐々木均会頭から表彰状を授与された渡邉主任薬剤師は、「がん化学療法/放射線療法時に発生する口内炎の予防?治療薬に関する研究」と題して、受賞記念講演を行いました。
今後は、更なる研究推進を図るとともに、世界に向けて成果を発信していきます。
受賞記念講演の要旨(抜粋)
「がん治療における副作用の一つである口内炎は、がん化学療法時の30~40%、頭頸部放射線療法時のほぼ100%に発症し、患者のQOL※1を著しく低下させる要因となっている。しかし、現在のところ有効な治療薬剤はなく、その開発?開拓が望まれている。我々は5-FU※2による抗がん剤誘発口内炎モデルおよび放射線誘発口内炎モデルの作製を行い、治療法確立に向けた研究を行っている。」
※1 QOL…クオリティ?オブ?ライフ(quality of life)。
※2 5-FU…フルオロウラシル(fluorouracil)。抗がん剤。