このたび、医学部附属病院先端医療創生センターの松下夏樹研究員を含む本学と福島県立医科大学、広島大学などとの共同研究チームが、脳内(線条体)に存在するアセチルコリンを含む神経細胞の働きを抑制すると、学習に基づく行動の切り替え(頭の切り替え)が促されることを、世界で初めて発見しました。また、標的遺伝子の役割を抑制する技術を用いて、線条体において行動の切り替えの制御に関わるアセチルコリン受容体のタイプを明らかにしました。
脳内のアセチルコリンの作用は、記憶?学習?認知などのさまざまな機能に関わることが知られているため、今後、この発見を基に研究を進めることで、認知機能の切り替えに障害がみられる脳疾患の病態改善に有効な治療薬の開発に繋がると期待されます。
この研究成果は、英国科学誌Nature Communications(5月6日号)に掲載され、オンライン版で公開されました。
掲載誌
Nature Communications
論文題目
Enhanced flexibility of place discrimination learning by targeting striatal cholinergic interneurons.
(和訳) ラットの線条体アセチルコリン神経細胞を選択的に除去すると場所選択学習の課題に対する行動柔軟性が向上する
※研究の詳細は、共同研究機関からプレスリリースを行った際の資料をご参照ください。