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大学院理工学研究科の奥島鉄雄准教授が丸山記念研究奨励賞を受賞しました【4月12日(土)】

平成26年4月12日(土)、大学院理工学研究科の奥島鉄雄准教授が第5回丸山記念研究奨励賞を受賞しました。

 丸山記念研究奨励賞(The Maruyama Memorial Research Award)は、故丸山和博京都大学名誉教授の教え子及びその弟子、あるいは関係者の中から優れた研究業績をあげた若手研究者を対象に与えられるものです。
 受賞対象となった研究は「機能性有機材料を目指した高共役ポルフィリノイドの創製(Synthesis and Properties of Conjugated Porphyrinoids for Organic Advanced Materials)」です。奥島准教授は機能性有機材料の開発と新規材料の探索を目指し、熱変換前駆体を用いたベンゾポルフィリン類の合成から研究を開始し、さまざまな高共役ポルフィリノイドの創製に成功しました。

1.熱変換前駆体を用いた低分子有機半導体の合成とデバイス応用
 低分子有機半導体の母体分子に共通する特徴として、πスタッキングに由来する溶解性の低下が挙げられ、通常は真空蒸着法により製膜されます。「大面積化?低コスト化」という有機分子特有の利点を生かすには溶液塗布法による製膜が望ましく、可溶化基の導入以外の方法として注目されているのが「塗布変換型」といわれる脱離可能な可溶化基を導入する方法です。今回、テトラベンゾポルフィリンやフタロシアニン類を塗布変換法により薄膜作製できる材料を開発し、高性能な有機電界効果トランジスタや有機薄膜太陽電池の作製に成功しました。

2.環拡張ポルフィリン類の合成
 サフィリンに代表される環拡張ポルフィリン類には多くの誘導体が知られていますが、meso位といわれる架橋炭素を全く含まないシクロ[n]ピロール類は報告例が非常に少ないです。今回、ビピロールの酸化反応を検討し、最初のπ拡張体であるシクロ[8]イソインドールのほか、アセナフチレン縮環体などの合成に成功しました。これらの化合物は1000?1500 nmにまで達する近赤外領域に強い吸収を示すことから、カットフィルターや光電変換材料としての応用が期待されています。<理学部>

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受賞盾