平成26年3月7日(金)、理工学研究科の黄木景二教授が支援した株式会社コスモ精機 (東温市)の成果「高精度な射出成形技術を用いた軽量?高強度?破損軽減?高精度なカーボンダーツの開発」が、四国地域イノベーション創出協議会による「2013イノベーション四国顕彰事業 四国産業技術大賞?革新技術賞?最優秀賞」を受賞し、香川県高松市のかがわ国際会議場で表彰式が行われました。
四国産業技術大賞は、年に1度、四国地域の産業技術の発展に顕著な貢献があった企業等を表彰することにより、企業等の士気高揚を図り、もって四国地域の産業技術の高度化に資することを目的として、平成8年度から実施されています。また、革新技術賞は、技術開発成果が特に優秀なものに贈られ、県内外で注目を集める炭素繊維高度利用研究会のリーダーでもある黄木教授の支援成果は、その中でも最優秀賞を受賞しました。
開発においては、長繊維炭素繊維の射出成型時の課題であった製品の反りや製品内での炭素繊維の分散性の課題がありました。しかし、黄木教授が、難加工成形材料である長繊維炭素繊維の射出成型における製品の品質?構造に関して、試作品の強度評価や設計に助言をすることで課題を解決することができ、高精度かつ高強度な他に類を見ない軽量?高強度?破損軽減?高精度(ミクロン以下レベル)な特性を合わせ持つダーツの開発に成功しました。
その剛性、飛行安定性はトッププロにも高く評価され、コスモ精機は後発ながら参入後わずか4年で国内シェア6割を獲得したほか、同社の売り上げに占める割合も6割を超えるなど、本業であるプラスチック製品を超える成長事業となっています。本製品は、本学、東レ愛媛工場とコスモ精機との共同開発技術によるものであり、産学官の受け皿である産学連携推進センター?炭素繊維高度利用研究会の仕組みの立ち上げや、カーボン工房の設置、愛媛県が進める炭素繊維関連産業創出事業のパイオニア、県内の炭素繊維を活用する新事業参入企業のモデルケースとなっています。この開発の成功事例をもとに、愛媛県からさらには四国レベルでの炭素繊維を利用した新産業創出の動き「高機能素材活用産業創出フォーラム」が始まりました。<社会連携支援部>