平成27年1月22日(木)、南加記念ホールで、「平成26年度大学改革シンポジウム 世界を学ぶから世界で学ぶへ ?地域協働による国際教育連携のあり方?」を開催し、駐日ルーマニア大使館特命全権大使ラドゥ?シェルバン氏を始め、国内外の行政?経済?文化?大学関係者らによる活発なディスカッションが行われました。このシンポジウムは、一般社団法人国立大学協会が、国立大学に対する社会的関心を高め、応援者を得ることを目的に、公募により国立大学の事業を支援するもので、今回本学の提案が採択されました。
始めに、柳澤康信学長から「松山ならではの俳句を通じ、世界の地域から産官学のリーダーに参加していただく今回のシンポジウムは、まさにローカル to ローカルコラボレーションを理念としている本学にふさわしいものである。皆さんも、俳句を通じた地域間の国際交流を考える機会としていただきたい。」と開会挨拶がありました。続いて、ラドゥ?シェルバン駐日ルーマニア大使館特命全権大使から、昨年松山市からクルジュ?ナポカ市へ贈呈された桜の苗木500本の目録に対する感謝の言葉の後、「この桜と俳句は2国間を繋ぐ架け橋である。ここにいる学生たちが『ルーマニアを学ぶからルーマニアで学ぶ』ことを期待している。」と、本シンポジウムのタイトルを踏まえたユニークな挨拶がありました。
基調講演では、蔚山大学人文学部日語日文学科の魯成煥教授から、韓国人が日本の俳句に注目する理由について、「俳句は1字1音の言語表記、定形詩の規律、その中で若干の逸脱と余白の美を楽しむ文化である。詩調の類型中『童詩』とよく似ており、文芸として違和感がない。」との解説がありました。また、魯教授は、「韓国人の句作は日本人の句作とは異なった特性があり、それもまた面白い。まだ初歩的段階であるが、これから成熟した俳句世界を作る可能性を見せている。」と説明し、「近い将来、日本と韓国のトップが笑顔で硬く握手する日を期待している。俳句がそのきっかけになればいい。」と述べました。
パネルディスカッションでは、壇上に、バベシュ?ボヤイ大学のロディカ?フランチュ准教授の書画と松山に関する写真のコラボパネルを置くなどの会場演出を行いました。パネリストが、俳句との出会いや魅力をそれぞれの感性で表現し、俳句の力を感じたエピソードなどを語ると、参加者は頷きながら聞き入っていました。
最後に、子規記念博物館の竹田美喜館長から「俳句の心は国を超え、短い言葉で人と人を優しくつなぐ。」との言葉があった後、清水史副学長が「今回の俳句交流を、文化的差異に柔軟に対応できるグローバル人材育成のための新たなスタートとしたい。」と総括し、柳澤学長が選句した子規の俳句を詠み上げました。
本学では、「俳句」という松山に根付いた文化を通じて地域間交流をさらに強め、これからも地域協働による国際教育連携に取り組んでいきます。