平成27年2月1日(日)、いよてつ髙島屋ローズホールで、「慢性腎臓病の予防と治療」をテーマとした第33回ヘルスアカデミーを開催しました。今日、我が国の透析患者は30万人を超え、慢性腎臓病は健康の脅威となっています。腎臓は、体内で発生する毒素を尿として排泄する生命維持に必須の機能を果たしており、日常的な高血圧や糖尿病のコントロール不良によって腎機能が低下すると、透析治療や腎移植が必要な状態に陥ってしまいます。
今回は、腎臓専門医が講師となり、実際の症例や治療法を交えながら、参加者はその予防法について学びました。始めに、本学医学部附属病院長の檜垣實男教授から開会の挨拶があり、その後、4人の講師による講演が行われました。まず、本院循環器?呼吸器?腎高血圧内科の大藏隆文准教授から「慢性腎臓病と高血圧」をテーマに、慢性腎臓病や高血圧による腎障害の説明、血圧をコントロールすることの重要性について話がありました。続いて、愛媛県立中央病院腎臓内科の斎藤大輔主任医長から、糖尿病性神経障害?糖尿病網膜症とともに糖尿病の3大合併症の1つである「糖尿病性腎症」について説明がありました。
また、本院栄養部の利光久美子部長から、「慢性腎臓病の食事療法」について話があり、自身の腎臓を守るために腎臓の状態を知るとともに、治療改善のために自らの食生活を振り返り、見つめ直していくことが必要であると述べました。最後に、本院泌尿器科の宮内勇貴助教から、腎移植についての現況や詳細な腎移植手術について分かりやすい解説がありました。会場の参加者の中には、講演者の説明資料を見ながらメモを取るなど、熱心に聞き入る姿が見られました。
本院では、今後も皆さんの関心の高いテーマを取り上げ、様々な事例や対応策等を紹介していきたいと考えています。