平成27年3月8日(日)、教育学部音楽教育講座の安積京子講師が、 ドイツ?バイエルン州にあるホーフ市で開催されたコンサート『ヴァイオリンとピアノのための歌』で、ドイツ人のヴァイオリニストと共演し、フランケンポスト新聞(Frankenpost Zeitung)にて高く評価されました。
安積講師とヴァイオリニストのツォルニッツァ?バハロヴァさんは、2004年、2005年にドイツ国立ワイマール?フランツ?リスト音楽大学で共に学んだ学友です。バハロヴァさんは、数多くの国際コンクールで入賞しており、カーネギー?ホールやロイヤル?アルバートホール等の世界的に有名なコンサートホールで演奏する一流のヴァイオリニストです。現在は、ニュルンベルク?フィルハーモニー管弦楽団のコンサートミストレスを務めています。安積講師とバハロヴァさんは、ドイツやチェコでコンサートツアーを行うなど数多くの共演を重ねており、昨年の4月には、大阪市(帝国ホテル)と松山市(いよてつ高島屋9Fローズホール)でもコンサートを開催しました。
二人は今年の3月にミュンヘン市のスタジオで演奏を録音し、6月には、ドイツのレーベルORPLID社からデュオCD『ヴァイオリンとピアノのための歌』をリリースする予定です。
平成27年3月10日(火)
フランケンポスト新聞 歌—無言の、だが多くを語る
記事の一部抜粋…
?歌?と名づけられているが、歌詞はない。実際、ヴァイオリン奏者は、歌うように、激情をこめて、半分はまるで陶酔しているかの如く、半分は咎めているかの如く、音をつくりあげていく。また、より選び抜かれた日本人の共演者も、ひと目で見渡せるが、かなり印象付けられている聴衆に、ピアノを色々な雰囲気で歌わせることができるということを、この夕べの間に何度も証明していく。…
…ヨハネス?ブラームスの北ドイツ風の飾り気のない叙事詩と理性的な繊細さはこのヴァイオリン奏者の気性に特に近いものがあるのかもしれない。二人の演奏家はブラームスのソナタ『雨の歌』作品78を、強調と男性的な簡素さの間のバランスをうまくとって演奏した。
ピアノの蓋を半分ではなく全部開いたのは、ここではふさわしく思われる。そうすることによって、繊細できちんとした、きめ細やかなタッチで演奏するピアノ奏者が、ヴァイオリン奏者と同格の共演者として並ぶ。もう一度、言葉のない歌。アダージオから円熟した真剣な音で始まり、フィナーレでは、まず切なく突き進み、その後、雰囲気は晴らされ、緊張は解けていく。 繊細でしっかりしたタッチ
このようにしてプログラムの構想は明確に現実のものとなる。言葉はない。もちろん無言ではない。ツォルニッツァ?バハロヴァと安積京子は適した形を、ふさわしい表現を求めていく。楽器も独自の雄弁術をもつ。音楽芸術家は楽器の「声」に歌詞は与えないけれど、イメージは創りあげられる。
ミヒャエル?トゥムザー筆(翻訳:出射映子 ドイツ公認翻訳者)
写真:ツォルニッツァ?バハロヴァ(手前)と安積京子 撮影:ミヒャエル?ギーゴルト