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逸見彰男農学部教授主宰の人工ゼオライトフォーラムが環境技術の講演会を開催

平成21年5月28日(木)、本学サテライトオフィス東京があるCIC(キャンパス?イノベーション?センター)において、逸見彰男農学部教授が会長を務める産学官組織「人工ゼオライトフォーラム」が、環境産業先端技術に関する講演会を開催しました。

 人工ゼオライトフォーラムは、逸見教授が本学で発明したリサイクル型機能性新素材「人工ゼオライト」に関わる組織であり、この新素材に関する諸技術の応用拡大及びその認知活動を通じて、健全な市場形成を促すとともに、製品の普及促進を図り、地球環境問題やエネルギー問題を解消して、関連産業の発展と国民生活の向上に寄与することを活動目的としています。同フォーラムには、「産」として、電力会社、ゼネコン企業、化学関連メーカーなど、約40社が正会員として入っており、「官」、「学」として、国や県などの公設試験研究機関に属する方々及び大学の教員が、特別会員のかたちで約20人参加しています。このフォーラムは、環境新世紀の幕開けといわれた21世紀始まりの年である2001年に設立され、以来、人工ゼオライト技術の新開発と普及の推進、人工ゼオライト製品の標準化及び規格化の推進、人工ゼオライト製品の品質?性能の向上及び安全性に対する信頼性の確保などの活動を行い実績をあげています。
 最近、あちこちで、「グリーン?ニューディール政策」という言葉が飛び回っている中、この政策の広がりに伴い、各国において、様々な形で、グリーン振興政策がとられるようになっています。アメリカにおいては、オバマ大統領が、再生資源や再生可能エネルギーなどの産業分野への1500億ドル規模の投資を表明し、公共施設の省エネ化による数百万人規模の雇用の創出を生み出そうとしています。中国では、この2年間で約6000億ドルを環境産業分野に投入することを表明していると聞きます。また、ドイツは、再生可能エネルギー産業で既に2400億ドル規模の経済効果と25万人の雇用を創出したといわれています。我が国においても、昨年後半からグリーン?ニューディール政策が議論されるようになっており、今年の1月には、環境省が数十兆円の経済効果創出の方針を打ち出し、これに対応する意見や対応技術の募集を開始しています。このほか、フランス?イギリス?韓国など多くの国々で同様の動きがみられるようです。こうした世界の情勢から、今、まさに、環境ビジネスに関わる新事業を飛躍的に展開できる機運が高まっており、本当の環境産業が花咲く時期を迎えました。そこで、今回の講演会では、関連企業の専門家によって、循環型社会構築やゼロエミッション達成に対応した最新環境技術として廃水処理と資源リサイクルをうまく連動させた方法についてや、低炭素社会の実現を目指して納豆菌に代表される有用微生物を活用した二酸化炭素低放出型及び省エネ型のエコ?バイオブロックによる水圏浄化と二酸化炭素吸収の技術について取り上げ、こうした技術を事業の主軸にして環境産業?環境ビジネスを展開し、いかにして企業利益をあげ、昨今の経済危機を乗り越えていくかについて、活発な討論や意見交換を行いました。講演会には、中部電力(株) 、中国電力(株) 、前田建設工業(株)、東洋建設(株)等の環境産業?環境ビジネスに関わる部門を持つ約26の企業や大学などから約40人が集まりました。
 大学の社会連携推進が、ともすればかけ声倒れになりやすい状況の中で、今回のCICでの講演会により、東京をベースにした環境関連事業を行う企業への支援活動の「場」としての本学サテライトオフィス東京の重要性と、全国レベルを視野に入れた社会貢献を展開することの必要性を再認識することができました。