お知らせ

教育学部で第2回科学イノベーション挑戦講座「私たちの暮らしを支える微生物の活動を制御しよう!」を開講しました【7月4日(土)】

 平成27年7月4日(土)、教育学部2号館2階理科学生共同実験室2で、第2回科学イノベーション挑戦講座「私たちの暮らしを支える微生物の活動を制御しよう!」を開講しました。
 今回は、「私たちの暮らしを支える微生物の活動を制御しよう!」という題材で、酵母菌(イースト)の呼吸と発酵、ニホンコウジカビの発酵、コウジカビ由来のアミラーゼによるデンプンの分解の3つの実験から、菌類の活動の制御を探究しました。

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実験条件をじゃんけんで決めよう!

 酸素条件下と窒素条件下でのブドウ糖水溶液での酵母菌活動を検討しました。高等学校生物では、酵母菌は酸素条件下では呼吸、非酸素条件下では(アルコール)発酵が起こるという、パスツール効果が紹介されています。そこで、イーストとして使われる酵母菌で、酵母菌の呼吸と発酵の違いを観察することができるかどうかを検討しました。また、ニホンコウジカビでは、麹の状態で用いて、片栗粉を糊化させたデンプンに対する分解反応を、コウジカビ由来のアミラーゼ(スミチームL、新日本化学工業)と比較しました。以上の実験を、温度条件を変えて、それぞれ役割分担しながら行いました。

 

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協力して実験を行おう

 中学生にとって、初めての実験、役割分担でしたが、チームを組んだ他の生徒たちと協力しながら、実験を進めました。実験条件の確認に時間を要したため、実験の評価に充分な時間がとれませんでしたが、それぞれの班が興味深いデータを得たようです。酵母菌の性質を学ぶ実験では、温度の違いで反応が進んだり進まなかったり、二酸化炭素は発生しているのに水溶液のブドウ糖濃度を測定する糖度は変化しなかったり、とても不思議な出来事に遭遇しました。ニホンコウジカビやアミラーゼでも糊化したデンプンが液状になり、化学反応は進行しているにも関わらず、やはり糖度はほとんど変化していないという結果が得られました。
 今回は時間の都合で、呼吸と発酵の違いの確認は今後の検討課題になりましたが、ごく日常に、当たり前に存在するものを科学の目で見ると、たくさんの不思議があることに気づきました。また、今後の共同研究のための準備になったかと思います。
 科学は私たちにとても身近な存在ですが、普段は身近すぎて意識することはありません。しかし、一度「なぜそうなるんだろう」と考えたとき、私たちの目の前には広大な科学研究の地平が広がります。
 次回、科学イノベーション挑戦講座は、7月30日にハウス食品の今井真介研究主幹をお招きして、「私と研究?タマネギと涙の化学?」の講演を行います。本講演は、一般の方にも解放していますので、ぜひお越しください。