◆発表のポイント
?地球マントルは対流しており、ブリッジマナイト【用語1】は地球内部で最も多い鉱物であり、その対流に大きな影響を与えています。
?本研究では、ブリッジマナイトの粘性率【用語2】を変形実験により直接測定し、多様な条件下でのブリッジマナイトの粘性率を求めました。
?ブリッジマナイトの粘性率の決定により、地球内部構造とその進化の詳細に大きな制約を与えることができるようになりました。
概要
岡山大学惑星物質研究所の辻野典秀助教、山崎大輔准教授、芳野極教授と足球即时比分_365体育直播¥球探网地球深部ダイナミクス研究センターの西原遊教授、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)の肥後祐司主幹研究員、丹下慶範主幹研究員の共同研究グループは、地球内部で最も多く存在する下部マントルの最主要鉱物であるブリッジマナイト多結晶体の粘性率を、高温高圧下条件下での変形実験によって決定しました。これにより、これまで地球物理学的観測により報告されていた下部マントルの高粘性率はブリッジマナイトの粘性率でよく説明できることが明らかになりました。さらに、これまで十分に制約することのできなかった地球マントル深部での差応力や鉱物の粒径を初めて見積もることが可能となり、下部マントルの大部分は上部マントルなどとは独立に対流していることが明らかとなりました。
これは、地球内部進化モデルを考える上で大きな制約となることが期待されます。本研究結果は3月31日(木)午前3時(米国時間3月30日(水)午後2時)、米国の科学雑誌「Science Advances」に公開されました。