平成19年5月31日(木)グリーンホールで前国立天文台長 海部宣男先生をお招きして、特別講演「宇宙と生命?21世紀の天文学が目指すもの?」を開催しました。
この講演は、自律学習プログラム「知の最前線に学ぶ」の一環として開催したもので、海部先生と交流のあった谷口義明理工学研究科教授により実現されたものです。講演会場は、学生や一般の方、教職員などでいっぱいになりました。
講演は、初めに谷口教授から海部先生の紹介があり、海部先生の「科学は知ること」という言葉で始まりました。人類が見た最も遠い天体(128億光年離れた銀河)の観測方法や宇宙を構成している元素?ダークマター?ダークエネルギーについてお話があり、宇宙は調べれば調べるほどわからなくなると天文学の魅力を話されました。
また、惑星や恒星は暗黒星雲から生まれること、太陽系の中心とされている太陽も実は公転していること、さらに楕円形の軌道を描く惑星があったり、ペガサス座51番星では、惑星が主星から近い距離(太陽と水星の距離の1/6)を4.2日という速いスピードで公転しているなど、これまで発見されてきた宇宙の不思議についてお話されました。
講演の最後には、太陽系外惑星と惑星の形成を自分の目で見ること、地球のような生命の存在する惑星を見つけられるかの2点が次の目標であり、太陽系外で生命の存在する惑星を発見し証拠を得るのは30?40年後ではないかと一つの宇宙の謎の解明までそう時間はかからないと期待されていました。
講演後の質問タイムでは、次々と質問があり、海部先生と谷口教授が一つひとつ丁寧に回答していました。最後に海部先生は「若い人が頑張れる場所を作るのが、先を行く人の役割。天文学は雑学です。まずは物理学的思考を身に付けてください」と学生たちへエールを送りました。
広報室