平成21年4月7日(火)、明治記念館(東京都港区)で開催された日本機械学会第86期通常総会において、矢代茂樹理工学研究科助教が日本機械学会奨励賞(研究)を受賞しました。
この賞は、機械工学または産業社会の発展に関わる研究業績が顕著な新進会員個人に対して授与されるものです。受賞対象となった業績の題目は「炭素繊維強化プラスチックの構造健全性評価技術の構築に関する研究」です。昨今、航空機や自動車の構造材に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が用いられ、その健全性を保証する技術が極めて重要となっています。この一連の研究では、材料に埋め込んだ光ファイバセンサを用いた損傷のモニタリング、また、超音波伝搬の映像化技術を利用した非破壊検査という2つのアプローチでCFRPの健全性評価を行ってきました。層間はく離などの損傷の発生に伴う材料の特性の変化と、光ファイバセンサの信号や超音波の伝搬映像の変化との対応関係を明らかにし、これらの手法による損傷検出を実証しました。さらに、この情報を使った逆問題解析に基づく損傷同定手法を提案しました。以上のように、独創性と発展性の高い研究成果を通じ“安心して複合材料を使う”ための知見や技術を提供した点が高く評価されました。