平成27年8月24日(月)、医学部第1ゼミナール室機能系実習室1で、看護学生を対象に放射線講習会を開催しました。
本講習会を企画した学術支援センター放射線教育支援室は、平成25年度発足後、本学学生への教育のみならず、県内の小、中、高校、高等専門学校などへ出張授業も行い、放射線教育を通して基本知識の普及活動を行ってきました。
今回、県下の5校の看護専門学校から、44人の学生が講習会に参加し、講義と実習を受講しました。講習会に先立ち、本センターの辻田隆廣准教授が開催の挨拶を行いました。続いて、岩崎智之技術職員が、看護学生と放射線の関係、身近にある自然界の放射線、放射線の単位の使い分けなど、放射線についての基礎的な講義を行いました。次に、増田晴造特命准教授が、放射線の人体への影響、防護の方法等に講義し、その中で福島での原子力災害の事故等を例に、放射線事故の状況に応じた対応方法や人体への影響とリスクベネフィットの関係などを説明しました。続いて、医学部附属病院中央診療施設放射線部の本田弘文主任技師が、放射線と関係した治療装置の画像を使い、放射線管理区域でのルールや注意事項等、実際に医療現場で放射線を扱う立場から講義を行いました。
講義後の実習では、5?6人の班を作り、乾燥昆布や花崗岩など、身近に存在するものから出ている放射線を測定したり、放射線の飛跡を見ることができる霧箱の作成を行いました。続いて、本学附属病院の災害時汚染対策室に設置されているホールボディカウンターの見学を行いました。専門の担当者の説明のもと、本装置を実際に使用し、体内に存在する放射性物質の計測をしました。
今回の講習会では、五感では捉えることのできない放射線を身近に体験することができ、学生にとって貴重な経験となりました。講習会後に行ったアンケートでは「放射線に対して全く違っている知識が多かった」「とても良い経験になった」「これからのためになる話が聞けて良かった」などの意見があり、非常に好評でした。
本センターでは、今後も県内の小?中?高校での出張授業を行うと共に、次世代の放射線等の医療を担う学生のための講習会の開催も進めていきます。