お知らせ

社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業「地域マネジメントスキル修得講座」(第10回)を開催しました【1月21日(土)、22日(日)】

 平成24年1月21日(土)、22日(日)に、社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業「地域マネジメントスキル修得講座」の第10回目を開催しました。

 今回の講座は、半分の時間を講義、あとの半分をプロジェクト研究に活用しました。年が明け、いよいよプロジェクト研究が大詰めを迎えています。
 1月21日(土)午前は、農学部資源?環境政策学の胡柏教授による「有機農業の経営と環境マーケット」の講義でした。まず、伝統的農業と慣習的農業、近代農業との関係について理論的に解説しました。近代農業では、食糧増産による貧困からの解放と、技工学技術の進展による重労働からの解放が進んだ一方で、化学肥料や農薬使用による環境問題も発生しています。その上で「経済性を追求すると環境を破壊するのか?」という問いかけをしました。これに対して、「資源を大事に使うことと効率を上げることによって、経済性の確保と環境負荷の軽減を図ることができる」ことを米の収量と投入肥料の関係を示しながら説明しました。また、優れた有機農家の事例を挙げ、「彼らは環境に優しい農法に強いこだわりを持っている訳ではなく、優れた経営感覚、経費削減、勤勉という条件がある」ことを紹介しました。
 1月22日(日)午前は、農学部資源?環境政策学の中安章教授による講義「農産物流通と市場」でした。消費が変わると流通と生産も変わるという実態から、卸売市場や農産物直売所の位置付けについて解説しました。卸売市場の歴史を振り返りながら、現在約5割の外食率と使い捨て文化によって、卸売市場の機能が変化していることを指摘されました。また、直売所は1990年代から増加?規模拡大が起こり、多様な形態に至っています。生産者が自分で値段をつけて新しい流通チャネルを獲得したことに始まり、兼業農家?女性?高齢者の活躍の場となり、グリーンツーリズムへ展開していく事例も出ています。さらに、その次の段階としては、生産者がコストを反映させた価格をつけ、消費者がそれに合意するしくみができなければ伸びていかないと指摘しました。
 1月21日(土)と22日(日)の午後は、プロジェクト研究の時間です。当初はグループ単位での話し合いを行っていましたが、現在は個別の課題が多彩に広がっています。また、各自で進捗も異なっていますので、教員による個別指導の形となりました。提出?発表まで残すところ2ヶ月弱となり、論文の執筆、要旨の作成、発表準備が進んでいます。

<農学部>