環境省では、微量PCB汚染廃電気機器等の効率的で確実な処理の推進のため、絶縁油に含まれる微量のPCB濃度を短時間かつ低廉な費用で測定できる方法(簡易測定法)に関する検討を行ってきた結果、平成22年1月25日(月)、農学部の本田克久教授らの開発した技術を公定法として発表しました。
この技術は、廃電気機器等に使用された絶縁油中に混入したPCB(ポリ塩化ビフェニル)の簡易測定法の開発に関するもので、国内に1000万台以上あるとも言われる微量PCB混入電気機器等は、PCBが使用されていた高濃度PCB混入電気機器と異なり、銘板等ではPCBの含有の有無を判断することができず、これら数多くの電気機器についてPCBの測定を行なう必要があることから、短時間に且つ低廉な費用で微量のPCBを測定できる方法の確立が求められていました。このような背景を踏まえ、環境省では、絶縁油に含まれる微量のPCBの測定方法を公募し、「微量PCBの測定に関する検討委員会」において測定方法についての評価を行った結果、今回本田教授らの開発した技術が公定法として認められたものです。
この簡易測定法は、絶縁油からPCBを精製し抽出するための前処理時間が約2時間であり、従来法では約3日間要していたものを大幅に短縮できる上に、正確に測定することができ、しかも簡単な前処理カラムを用いるため、測定費用が低廉なものとなっています。
本技術を用いた前処理カラム、前処理装置は、三浦工業(株)三浦環境科学研究所が本格的に販売を開始します。
<知的財産本部>