平成19年4月18日(水)ホテルニューオータニでノバルティス?リウマチ医学賞の授賞式が行われ、本学大学院医学系研究科の能勢眞人教授(ゲノム病理学分野)に表彰状が授与されました。
ノバルティス?リウマチ医学賞は、日本国内のリウマチ研究の発展、進歩に大きく寄与する可能性を有する独創的研究に対し、財団法人日本リウマチ財団から毎年1人に授与される賞で、今年度は能勢教授が選ばれました。
受賞課題は「膠原病の病像多様性のポリジーンネットワーク」です。膠原病は、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、血管炎症候群などに代表される難治性炎症性疾患で、その病態?病像は極めて多彩です。この疾患カテゴリーは約60年前に提唱されましたが、以来この病態?病像の多様性がどういうものによるのかは、なお未解決で重要な課題でした。
能勢教授は、病態?病像の多様性が単に独立した疾患の寄せ集めであるためではなく、同義遺伝子として集団内に潜在的に分布している多型遺伝子を含むポリジーン(単一の遺伝子)の種々の組み合わせにより必然的に生み出されるものであることを、モデルマウスのゲノム解析により実証しました。このことが、今後のヒト膠原病の病因、治療研究に重要な指針を与えるものとして高く評価され、本賞の受賞に至りました。
広報室