平成27年9月11日(金)、大学本部棟の第2会議室で、衛生管理者スキルアップ研修を開催しました。
この研修は、本学で安全衛生業務に携わっている衛生管理者(第一種及び衛生工学衛生管理有資格者)を対象に、平成24年度から実施しているものです。本学では、現在約300人の有資格者が安全衛生管理業務に関わっており、今回はその内の13人が受講しました。
始めに、全学総括安全衛生管理者の宇野英満理事?副学長から、日頃から巡視業務等を行っている受講者に対し「衛生管理者の役割は幅広く大変だが、今日ここで学んだ事を持ち帰り、是非、今後の活動に活かして欲しい。」と挨拶がありました。
続いて、愛媛産業保健総合支援センター産業保健相談員の臼井繁幸氏が「安全衛生に関する法令と衛生管理者の役割」と題して講演を行いました。
まず、労働衛生管理の現状として、年々増加傾向にある一般健康診断有所見率や、同じく年々増加している業務上疾病の中の腰痛による件数に触れ、腰痛対策が必要であると述べました。また、化学物質による職業がんの防止対策が急務であり、健康障害防止の観点から規制対象外の物質についても、そのリスク管理が重要であると説明しました。さらに、メンタルヘルス対策と『ストレスチェック制度』の導入についても触れ、ストレスの少ない職場を目指して、ストレスチェックの結果については、プライバシーの保護?不利益な取扱の禁止等が定められており、労働者が安心して正直に受けることができるような環境を整えることが大切だと述べ、衛生管理者として、法令遵守に務め、快適な職場環境の形成を目指して、日々活動することが重要ですと締めくくりました。
次に、重信事業場産業医の櫃本真聿医学部附属病院総合診療サポートセンター長が「ストレスを原動力に」と題して、講演を行いました。全国で60歳未満の死因の第2位は自殺であることに触れ、ストレスを避けることより、ストレスとどううまく付き合うかが重要であると述べました。また、12月から義務化となる『ストレスチェック制度』は、異常者を探し出すのが目的ではなく、労働者が自分自身のストレス状態に気づき、自分をいかに活用させるか、という一次予防が主目的であると説明しました。職場のリーダーは、互いの力を引き出すことができるようマネージメント力を磨き、職場環境の改善に務めて欲しいと述べました。この制度の趣旨を正しく理解して、労働者のストレスの低減を支援し、職場全体の協力体制を構築することが大切ですと締めくくりました。
最後に、藤村裕安全環境課長から「今回の話を職場での巡視活動に活かしてください。」との挨拶があり、終了しました。
安全環境課では、今後も各事業場で順次このような衛生管理有資格者を対象としたスキルアップ講習会を開催し、職場に潜む労働衛生上の問題点に関して適切な対応ができるよう一人ひとりの意識強化を図っていきます。