平成27年9月28日(月)?29日(火)、岡山県真庭市久世エスパスランドで開催された日本木材学会中国?四国支部第27回(2015年度)研究発表会で、連合農学研究科博士課程2年のアマリア?インダ?プリハンティニさんが、口頭部門で研究発表賞を、同課程1年のアデ?アンドリアニさんが展示部門で研究発表賞を受賞しました。
アマリアさんが受賞した発表題目は、「Terric acid、 a potential antioxidant compound from an endophytic fungusnewly isolated from Elaocorpus sylvestris」で、Elaocorpus sylvestris(ホルトノキ)の内樹皮から7種の内生菌を単離するとともに、それらの菌を培養して得た抽出物(菌体抽出物および培養液抽出物)の抗酸化活性を調べました。その結果、一種の内生菌、Psudocercospora sp. ESL 02からの抽出物が高い抗酸化活性を示すことを見出しました。その菌の培養液抽出物を抗酸化(DPPH抗酸化活性)試験を併用しながらシリカゲルカラムクロマトにより分離し、抗酸化活性を有する一種の化合物を単離しました。その化合物の機器分析およびX線解析により、Terric acidと同定しました。この化合物がPsudocercospora属菌から単離されたのは、今回が初めてです。
また、アデさんが受賞した発表題目は、「Degrdation of crude oil using co-culture system Pestalotiopsissp. NG007-Polyporus sp. S133 under a saline condition」です。天然から選抜した石油分解菌、NG007菌とS133菌の共培養による海水条件下で原油(アスファルト、C重油及びA重油)が分解できること、その分解における原油分解に関係する酵素(リグニナーゼ及びジオキシゲナーゼ)活性の変化を調べ、原油分解における酵素活性との関連を明らかにしました。また、高濃度の原油汚染海岸土壌がこの2種の菌(共培養系)を担持した担体(浄化材)で浄化できることを初めて見出しました。そして、この浄化材による原油分解のメカニズムも提示しました。
アマリアさんとアデさんの研究への意欲的な取組みと共に、研究成果がわかり易くまとめられた発表の仕方や理解度、質問への的確な返答が高く評価され、受賞の運びとなりました。